2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の複合的住生活改善要求と公共・民間セクターによる地域居住支援システム
Project/Area Number |
21500739
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
中島 明子 和洋女子大学, 生活科学系, 教授 (30113294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 実花 和洋女子大学, 生活科学系, 助手 (30406673)
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Keywords | 東京都墨田区 / 高齢者 / 低所得高齢者 / 住生活改善 / 地域継続居住 / 防災 |
Research Abstract |
研究目的1 高齢者の複合的住生活改善要求を明らかにする。 墨田区在住の65歳以上の2600人を対象者に調査を実施し有効回答730人について分析を行った。当初計画では居住継続意志のクロス集計で傾向をみようとしたが、現在地での居住継続意志をもつ世帯が9割近くいることが明らかであったので、これらを(1)現在地で居住継続の意志のある高齢者(641人)の動向、(2)墨田区内・区外に住み替える意志のある高齢者(89人)に分け、各々について分析を行った。その結果、高齢者が、住み慣れた地域で安定した住生活を行なうための要求の中で耐震問題は大きな位置を占めていることが明らかになっており、住宅問題としての潜在的要求は防災を契機にして組み立てることの可能性が示唆された。高齢者の課題別の集計を終え、今後は「複合的要求」の構造分析を行うことで、高齢者の居住継続のための支援方策を検討する。 研究目的2 高齢低所得者の住生活改善要求を把握する。 自力で住生活改善が困難な高齢低所得者について、研究目的1で実施した調査対象から年収100万円未満の世帯(9.1%75人)について独自集計を行った。墨田区を北部と南部に分けると低所得高齢者は北部に多い。世帯形態は一人暮らしが相対的に多く、夫婦世帯が少なく、健康状態もやや悪い人が多く、生活基盤は脆弱である。住宅は民間借家・公営住宅が相対的に多い。また、住宅条件は家賃が3万円台以下が7割を占め、6割以上が住宅の老朽化、耐震性、防犯、バリアフリー対策において問題を抱えている。居住継続を望む低所得高齢者の場合、住宅問題を解決することが重要である。 以上の統計分析をさらに進めて論文発表を行うと共に、同地域の課題に対応した高齢者を対象にインタビューを実施し居住継続の条件(課題)を明らかにする必要がある。
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Research Products
(3 results)