2009 Fiscal Year Annual Research Report
精白米の浸漬による低アレルゲン化とその消化性-加工・調理への応用-
Project/Area Number |
21500767
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
和泉 秀彦 Nagoya University of Arts and Sciences, 管理栄養学部, 教授 (80351211)
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Keywords | 精白米 / 浸漬 / 低アレルゲン化 / アレルゲン / 消化性 |
Research Abstract |
食物アレルギー患者数は、増加の一途をたどり大きな社会問題となっている。米アレルギー患者数は、卵・乳・小麦に比べると少ないものの、主食である米を除去しなくてはならないという点で、患者にとって負担はかなり深刻な問題である。米アレルギー患者の食事には低アレルゲン米が欠かせないものとなっているが、コスト面や味において課題を残しているのが現状である。そこで、家庭でも手軽にできる精白米の浸漬による低アレルゲン化を目指し、その低減化における最適浸漬条件を模索し、その浸漬条件を工夫した技術を調理・加工に応用することで、新奇低アレルゲン米の作製・製造を実現させることを本研究の目的とした。 精白米をpH3~6の0.1M酢酸緩衝溶液に50℃で18時間浸漬させ、浸漬後の米粒中に残存した主要米アレルゲン(14-16kDaアレルゲン)量について、モノクローナル抗体を用いたイムノブロットの発色強度を基に定量した。その結果、pH3の酢酸溶液に浸漬させた米粒中のアレルゲン量は、本来精白米中に存在するアレルゲン量と比較しそ、約20%以下に低減化していることが明らかになった。また、浸漬させる溶液を米酢希釈溶液に置き換えても同様の効果が得られた。これにより、身近な食酢を用いた米の低アレルゲン化が可能であることが示唆された。この低アレルゲン米は、米アレルギー患者のみならず、妊婦や腸管が未発達な乳幼児に対しての食物アレルギー予防に大いに貢献できると考える。
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Research Products
(1 results)