2011 Fiscal Year Annual Research Report
精白米の浸漬による低アレルゲン化とその消化性-加工・調理への応用-
Project/Area Number |
21500767
|
Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
和泉 秀彦 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (80351211)
|
Keywords | 精白米 / 浸漬 / 低アレルゲン化 / アレルゲン / 消化性 |
Research Abstract |
平成21年度の研究では、精白米を酸性溶液に浸漬し、低アレルゲン米の作製すること成功した。また、平成22年度の研究により、作製した低アレルゲン米中のアレルゲンの消化性は、もとの精白米中のアレルゲンに比べて向上していることが明らかとなった。そこで、平成23年度は、精白米中のタンパク質の中でも難消化性タンパク質として知られているプロラミンについて、酸性溶液浸漬が消化性に及ぼす影響について検討した。 精白米をpH3,4,5,6に調製した0.1M酢酸緩衝溶液に50℃およびコントロールとして水に4℃で18時間浸漬後、洗浄して水で炊飯し、低アレルゲン米および水浸漬米を作製し試料とした。作製した試料中のタンパク質と消化酵素(ペプシンおよびパンクレアチン)を37℃でそれぞれ10分および30分間反応させ、反応後のプロラミンをイムノブロット法で検出し、in vitroでの消化性について解析した。次に、同様に作製した低アレルゲン米(pH3,6)および、水浸漬米の試料を、マウスに胃内投与し、投与30分後に消化管内容物を回収した。回収物中のプロラミンをイムノブロット法で検出し、in vivoでの消化性について解析した。 in vitroにおける消化性の解析結果から、酢酸緩衝溶液浸漬により作製した低アレルゲン米中のプロラミンは、ペプシン処理後、パンクレアチン処理後どちらにおいても、水浸漬のコントロール試料と同様に未分解の状態で検出された。また、in vivoにおける消化性の解析結果についても、酢酸緩衝溶液で浸漬し、炊飯した低アレルゲン米中のプロラミンは、水浸漬のコントロール試料と同様に、胃および小腸全域に未分解の状態で存在していた。以上の結果から、難消化性タンパク質のプロラミンは、酢酸緩衝溶液に浸漬しても、その消化性は変化しないことが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)