2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500818
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
岡崎 隆 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20160666)
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Keywords | 金星の太陽面通過 / 太陽視差 / 天文単位 / 太陽観測 |
Research Abstract |
1、ハレーによる太陽視差決定法の考察;ハレーの原論文(A new Method of determining the Parallax of the Sun, or his Distance from the Earth)に述べられている太陽視差決定法(金星の太陽面通過観測から太陽視差を決定する方法)が地球の自転効果を利用したものであることを解明し、様々な視点からの教育的解説を試みた(物理教育掲載論文)。ハレーによって考察されている金星の太陽面侵入、離脱時刻の遅れや進みを自転を考慮した金星の相対運動、太陽・金星・地球表面観測者の座標変換による近似計算などから裏づけ、作図法、シミュレーションによる解説方法を検討した。一般に行われている解説、すなわち地球上の観測点の南北緯度差を利用した視差測定法との逢いや関連、金星の太陽面通過位置が視差決定に及ぼす影響などを明らかにした。理科教育でこれをとりあげるとき、あまりに単純化した解説には問題があり、ハレーの考察を正しく解説することの重要性が明らかになった。 2、太陽観測・記録方法の考察;太陽望遠鏡、ビデオカメラを用いた太陽観測を試み、安全確実な観測、記録方法の確立を図った。投射型太陽望遠鏡(LEARING TECHNOLOGIES, INC製SUNSPOTTER)が教育現場での多人数児童・生徒による安全な太陽観測に適していることを確認した。望遠レンズ(3倍テレコンバージョンレンズ)とビデオカメラに組み合わせにより太陽黒点観測・記録が可能であり、金星の太陽面通過観測に利用できることを確かめた。数日間連続した黒点観測記録、黒点の太陽面移動から太陽の自転周期を導く計算法を検討した(物理教育投稿予定)。黒点の位置、太陽中心からの距離変動によって太陽自転角速度を求めることができる。カメラの配置、観測時刻の調整などを行うことなく容易に太陽自転周期を求めることができ、理科実験・観察の課題となりうることを示した。
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Research Products
(1 results)