2011 Fiscal Year Annual Research Report
流星の質量を求める実習用可搬型流星電波観測教材の開発
Project/Area Number |
21500828
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 英人 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 技術専門員 (30376553)
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Keywords | 流星電波観測 / 多地点電波観測 / 前方散乱レーダー / 自然科学教育 / GPS / 超高層大気 / 実習教材 / フィールドワーク |
Research Abstract |
本研究は、送信点と異なる場所に多数の受信点を配置し(多地点観測法)、流星が流れたときその飛跡に沿って生じるプラズマに反射した電波(以下流星エコーと呼ぶ)を、多地点で受信してその到達時間差と送信点―電波反射点―受信点の距離(測距)より流星の正確な飛跡を求め、流星の質量を求める教材の開発を目的としている。 22年度までに開発した測距用受信機システムを4セット完成させた。同時に多地点解析用高帯域受信エコー時刻取得ソフトの開発を行った。これらを2011年12月のふたご座流星群で動作確認を行ったところ、安定に受信機が作動し、データ収集も問題なくできることが確認できた。このときのデータを解析した結果より、さらに流星エコー数を増やすため、S/N比を上げる目的でバンドパスフィルターの設計・製作を行った。また、遠隔地の観測点の保守を現地に行かなくとも動作状況や簡単な保守ができるように3G回線を使ったワイヤレス化を目指し、成功した。さらに移動に便利で観測場所での展開を容易にするために、バンドパスフィルター、受信機、電源、GPS、A/D変換器、データ収集システムを一体化した筐体に納めた。こうした改良を施した観測機材を実習授業に実際に投入し、その評価を試みた。その結果2012年7月下旬のみずがめ座δ南流星群の観測において、各観測点のエコー到達時間差から計算された距離のデータと本研究で開発した測距システムによるデータを、同時に得ることに初めて成功した。その結果の違いは約20Kmの違いで、各観測点で矛盾のないものであった。 開発した教材のうち3KHzサンプリングのものは、東京大学教養学部の実習授業に取り上げられ、有効に教育的効果を発揮した。また、そのデータは青山学院大、東海大の卒論にも使用された。上記の成果の一部は、関連する国際学会・研究会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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