2009 Fiscal Year Annual Research Report
人間の音声生成機構を分かりやすく説明する声道模型の改良とその音響教育応用
Project/Area Number |
21500841
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
荒井 隆行 Sophia University, 理工学部, 教授 (80266072)
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Keywords | 科学教育 / 音響教育 / 音声生成 / 声道模型 / 可視化 / 母音 |
Research Abstract |
人間の音声生成機構を分かりやすく説明するため、「声道模型を用いた音響教育」において、目的や対象ごとに声道模型やその活用方法に関する現状を調査した。現在の模型をA「より単純な機構」、B「スタンダード」、C「より複雑な機構」の3つに分けて検討し、現状調査の結果を踏まえ、それぞれのカテゴリーにおいて模型の改良を行うと同時に、まだ実現できていない目的や対象に適した模型の設計に取り組んだ。 Aでは、「音質」に深く関係する「音源」のさらなる改良を図り、リード式音源の形状や寸法等について最適値を追究。また、スライド式声道模型で生成できる母音の範囲を調査、発表した。筒型模型をよりシンプルな形状にした「円筒管接続式声道模型」も開発。 Bでは、模型の肉厚を一定にして外形を重視することで、触って形状がわかり(バリアフリーを意識)、透明素材を使う必要性がないように工夫。さらに、明瞭性に少し問題があった母音「ウ」についても改良。軽く適度な強度を保つケミカルウッド素材を用いることで扱いやすくなり(軽く、落としても割れにくい)、以前よりも製作費を安価に抑えることに成功。 また、日立シビックセンター科学館において「声道模型」展示を監修。「音源フィルタ理論」に倣い、子ども達が自ら操作しながら「音源の原音」と、「声道模型に接続した際に生成される音」の変化を体験できるように工夫した。筒型模型と音源に関して、科学館展示に適するようにハードウェアの開発・改良と調整を行った(維持、管理の容易さ、再現性、適度な音量、高い圧力でも適度に励振するリードの設計、子どもの操作性を考慮した調整など)。 Cでは、頭部形状模型については、スライド式声道模型の良さと頭部形状模型の良さを両方兼ね備えた、「舌スライド式」を新たに設計。肺の模型はアウトリーチ活動等で幅広く活躍するため、運搬しやすいように組立式、小型化のものを設計・製作した。
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Research Products
(7 results)