2009 Fiscal Year Annual Research Report
体験から数理へ、アニメーション作成を通じて学ぶ物理教育システムの構築
Project/Area Number |
21500846
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 研一 Osaka Institute of Technology, 情報科学部, 教授 (10189988)
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Keywords | 自然科学教育 / アニメーション |
Research Abstract |
今年度はアニメーション教育を行う上で次のような準備を行った。 1)アニメーション作成の実施:学生にどの程度のアニメーショシを作成できるかを実際の作成を通して物理および映像制作の技術的な側面を中心に検討を行うことが出来た。物理学習経験の少ない情報科学部の4年次学生2名に波と力学についてのアニメーション作品の制作を課した。映像作品は自習可能な映像教材作成と講義での補助的な利用を目的とする映像素材の2種類となるものを複数作成した。この制作過程より、映像制作の初心者でも様々な工夫を凝らし、教材を作成することが可能なこと、また物理学習経験が少なくとも動機を維持して教材を作成できることの2点を確認出来た。また、制作した作品を確認することで制作者である学生の物理理解を一目で理解出来ることも確かめられた。 これらのことより、映像制作自体の興味が物理学習意欲を高めるというメリットを確認できた。しかしながら、制作を通常の授業内で行うためには、予め対象となる物理を限定しておくことが非常に重要であることが理解出来た。この経験をふまえ、制作手順書の作成も行った。 2)教育用の映像教材を作成:学習用の既存の映像教材では、実験の様子を実際に行い、撮影したものが殆どである。これらの利用形態は教員の教育の補助が主たるもので、それ自体での教育は困難である。教授者がどのように利用するかを熟慮することが不可欠である。本研究ではこのような目的に合致する映像素材を作成するとともに、教授者を必要としない自習目的に利用可能な映像教材も学生の手により制作させることを試みた。この試みより、指導方法次第では素材のみならず自習学習への利用についても可能であることが示唆された。 3)定量的な理解を映像自体から可能にするコンピュータビジョン利用システムの設計をほぼ終え、安価な機材利用で可能にするシステムを構築している
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