2009 Fiscal Year Annual Research Report
動物の体内構造の学習における新しい教材生物としてのアルビノ固体の活用と提供
Project/Area Number |
21500871
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
後藤 太一郎 Mie University, 教育学部, 教授 (90183813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗宮 弘明 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (50147972)
淀 太我 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (00378324)
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Keywords | 動物の体のつくり / 教材生物 / 透明鱗メダカ / ヒドジョウ / アルビノザリガニ / 教室内飼育 |
Research Abstract |
初等教育で正しい生命観を育成するためには、動物の飼育を通じて生への営みを知ることで生命尊重の態度を養うとともに、動物の体がどのように機能するか学習することによって、子どもが生物の姿を正しく理解することが重要である。本研究は、このための教材生物として、解剖することなく体内の構造が肉眼でも見える小動物のアルビノ個体を活用しようとするものである。教材生物としては、教科書で扱われている動物、または、教室内飼育が容易である動物が望ましい。代表的なものとしてメダカと、体が丈夫で血流観察が見やすいため近年注目されているドジョウが候補とした。これらのアルビノ個体について検討した結果、黒色素胞や反射色素胞を欠損しているために鱗が透明なメダカである「透明鱗メダカ」と、黒色素細胞を欠損して黄色いドジョウである「ヒドジョウ」を選定した。透明鱗メダカでは、体長10~15mmの個体で脳の形や心臓の拍動をルーペでも観察することができた。浮き袋や骨格の様子は成魚でも観察できた。ヒドジョウでは、体長25mm前後の個体で脳の形と心臓の拍動や血流を明瞭に観察できた。これらの観察を小学生が行う上で役立つ「観察シート」を作成した。小中学校教員対象に「動物の体のつくり」をテーマとした研修を3回実施し、これらのアルビノ魚類を扱った。脳の形や心臓の拍動を実際にみたことははじめてという教師が多く、アンケート調査した結果、8~9割の教員がこれらの魚類を「授業で使ってみたい」と回答をしていた。教育現場でこれらの魚類の普及を進めるために繁殖を行ったところ、透明鱗メダカは1000個体以上となったが、ヒドジョウについては産卵が見られず、飼育条件を変えながら繁殖法の確立を目指して進めている。
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Research Products
(5 results)