2011 Fiscal Year Annual Research Report
動物の体内構造の学習における新しい教材生物としてのアルビノ個体の活用と提供
Project/Area Number |
21500871
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
後藤 太一郎 三重大学, 教育学部, 教授 (90183813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淀 太我 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00378324)
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Keywords | 動物の体のつくり / 教材生物 / ヒドジョウ / 透明鱗キンギョ |
Research Abstract |
初等教育で正しい生命観を育成するためには、動物の飼育を通じて生への営みを知ることで生命尊重の態度を養うとともに、動物の体がどのように機能するか学習することによって、子どもが生物の姿を正しく理解することが重要である。本研究は、このための教材生物として、解剖することなく体内の構造が肉眼でも見える小動物のアルビノ個体の活用法を開発し、教育現場での利用価値を評価して発信しようとするものである。教材生物としては、身近なもので教室内飼育が容易である動物として、メダカ、ドジョウ、およびアメリカザリガニを選定した。昨年度の研究により、ヒドジョウは学習の中での位置づけや児童の関心高さから、教材生物としての価値が高いことが明らかになった。本年度は、ヒドジョウを用いた循環系について児童が理解を深めるための観察法の改善を行なった。循環系の観察には体長3cmほどのヒドジョウを用い、デジタル顕微鏡(商品名Kena,Ken-A-Vision)をパソコンを介してテレビに接続し、普通教室でクラス全員が観察する形態をとった。この顕微鏡により、心臓の拍動から、尾鰭基部の血管を経て尾鰭先端の毛細血管を血液が流れる様子を容易に観察でき、児童は実物を通じて循環系について理解を深めることができた。また、ホルモン投与により受精卵を得て艀化後の仔魚を通常のドジョウと比較したところ、透明度が高く、心臓から外鯉に血液が流れる様子を明瞭に観察することができ、血液循環観察の新たな教材となることがわかった。他の透明鱗魚種の繁殖については、これまでに繁殖を行なってきた透明鱗メダカの中から透明度の高い個体の分離を進める一方で、新たに透明鱗キンギョを入手し、繁殖個体までに成長したことから、2012年の春には繁殖が可能であり、これについても新しい教材生物としての検討を進める。
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Research Products
(2 results)