2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500974
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 秀人 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (40217724)
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Keywords | ポラニー / 化学者 / 科学研究 / ハンガリー |
Research Abstract |
ポラニーの公刊文献および彼の日本の弟子筋の残した文章を元にポラニーの物理化学の成り立ち等について分析した。これにより、彼の物理化学への関心が、ブダペスト大学医学部在籍以来のものであることが判明した。また、当時からの研究の体験が、ポラニーの科学哲学に先行するものではないかという仮説を得た(従来の方向性とは逆)。 史料調査については、ポラニーが1933年から在職していた英国マンチェスター大学図書館(ジョン・ライランズ・ライブラリー)に赴いて実施した。ポラニーの科学研究に直接関係する史料は発見できなかったが、当時のポラニーの同僚が彼の人物像や研究をどのように見ていたかをうかがい知ることのできる史料を確認した。また、同大学化学科のアーカイブの史料目録を編纂したピータース図書館員と話をすることができた。彼によると、ポラニーの研究ノート等、科学研究に関する直接的史料はマンチェスター大学にも存在しないとのことであった。これまでの調査と照らし合わせると、ポラニーの史料を保管するアメリカ(シカゴ大学図書館)、ドイツ(マックス・プランク研究所KWGアーカイブ)、ハンガリー(国立セーチェニ図書館)、イギリス(マンチェスター大学図書館)すべてにおいて、ポラニーの科学研究に直接関係する史料が存在しないことになる。ポラニーの息子であるジョン・ポラニーにも問い合わせたが、研究ノートについては知らないと言うことであった(直接の面会は謝絶され、真偽に疑問は残る)。
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Research Products
(1 results)