2010 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素との蛍光反応を用いた海面・陸面からの硫化ジメチルフラックスの測定
Project/Area Number |
21510012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永尾 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (00252297)
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Keywords | 硫化ジメチル / 化学蛍光反応 / フラックス測定 / 渦相関法 |
Research Abstract |
平成22年度は、反応セル内で発生するノイズ軽減のため、セル内面の仕上げの改良、例えば電解研磨を経て金メッキ処理を行った。またセルの窓にフッ化カルシウムを用いた。これらの対策によりノイズの軽減と、窓の劣化による感度低下を約10%程度向上できたと見積もることができた。データ収録においては、蛍光反応で発せられた光子をフォトンカウンティングによりカウントした後、パルスカウンターを挿入してD/A変換を行い、岡山大学のCO2乱流測定システムにデータを転送できるよう改良した。これにより鉛直風速、水蒸気量、気温、船体動揺などの10Hzの測定データと同期してデータ収録が可能となった。これらの処置を施した後、海洋地球研究船みらいの2航海(MR10-05のLeg 1およびMR10-06)に乗船し、フォアマスト上部に本測定装置を、船内にデータ収録装置をそれぞれ設置して測定を行った。海域は日本とアリューシャン列島間の北太平洋北西部である。この測定と並行して従来のガスクロマトグラフィー法により海水と大気のDMS濃度を測定し、蛍光装置との比較を試みた。しかし、大気のDMS濃度が蛍光装置の検出限界レベルより低い時が多く、有意な信号出力を得る機会は限られていた。取得データのチェックを経て、データ解析を進めている。また、陸上での測定に向けて、3次元超音波風速計の整備と蛍光装置の接続を試みている。
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Research Products
(1 results)