2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷とは無関係に遺伝的不安定性を誘発する機構と細胞がん化における役割
Project/Area Number |
21510054
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
布柴 達男 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10270802)
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Keywords | ヘテロ接合生喪失 / hydroquinone / phenyl hydroquinone / dimethyl sulfoxide / 染色体異数化 / 非変異・発がん物質 / Hog1-Swe1 pathway / morphogenesis checkpoint |
Research Abstract |
染色体喪失,染色体異数化などによるLOH誘導の機構明 防カビ剤o-phenylphenolの代謝物2,5-dihydro biphenyl(PHQ)と同様、benzene代謝物hydroquinone(HQ)や遺伝毒性試験の被検物質の溶媒として用いられるDimethyl sulfoxide(DMSO)にも染色体分配異常に伴うLOHの誘発を見いだした。それらの物質もPHQと同様の経路により染色体分配異常をおこす可能性を考え、swe1やhog1欠損での染色体喪失誘発性などへの影響を検討し、DMSOやHQによる染色体喪失誘発性がHog1-Swe1pathwayの活性化に起因することを確認した。またHQをカップリングさせたsepharose affinity columnを作成し、B-チューブリンとの結合を確認するとともに、PHQ同様チューブリンの脱重合阻害を確認した。以上の結果はHQやDMSOもPHQと同様の機構で染色体喪失を誘発する可能性を示唆している。Hog1やSwe1の上流にはPbsが、そしてその上流には、SlnやShoなどの2つの経路が存在するといわれている。これらの関与については更に検討が必要である。 環境化学物質複合摂取と染色体喪失誘発性への影響 NaClがHog1-Swe1 pathwayを活性化することが知られているので染色体喪失誘発性を検討したところ陰性であった。そこで、NaClとPHQの複合的な作用を想定し、PHQの染色体喪失誘発性へのNaCLの同時処理効果を検討した結果、単独では致死作用を示さない濃度範囲のNaCl処理により、野生株ではPHQの感受性の増強がみられ、逆に染色体喪失誘発性の抑制が見られた。一方swe1やhog1欠損では感受性の増強は見られなかった。NaClによるHog1-Swe1 pathwayの活性化がどのようにPHQによる感受性や染色体喪失誘発性に影響したかについては更なる検討が必要である。
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Research Products
(5 results)