2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射性ストロンチウムによる内部被曝線量その場評価法の検討
Project/Area Number |
21510058
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高田 純 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (00274134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 憲一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 講師 (70363075)
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Keywords | 内部被曝 / 線量 / ストロンチウム / 歯 / 医学物理 |
Research Abstract |
引き続き本年も、在日外国人・韓国人留学生の前歯のベータ線を計測した。日本人同様、顕著な計数は観測されなかった。 他方、文献研究として、隣国中国の楼蘭周辺での核爆発1964-1996年間の22メガトンからのわが国への放射性物質の降下と日本人人骨中の放射性ストロンチウム90の放射能分析(放射線医学総合研究所の報告)とを照らし合わせた影響を考察するとともに、内部被曝線量評価を行った。最初の約10年間に、幼児・胎児に顕著な影響があった。成人の場合は、それが70-80年代に顕著な線量が見られた。その線量は、前歯ベータ線からの線量評価と矛盾のない範囲であった。 日本へ降った核の黄砂は、より近接のモンゴルへの影響が顕著と考えられる。実際、カザフスタンへの影響は、これまでに調査されている。本年は、モンゴル国核エネルギー庁とこの核放射線影響についての科学会議をウランバートルにて開催した。線量計算から、最大数100ミリシーベルトの線量をモンゴル西側領域が受けると推定される。本研究手法であるベータ線評価が、今後、モンゴルにおいて有効となる可能性もある。 本年は、実測調査、文献調査、学会等の発表に加え、東京都民の協力を得て、一般の人たちに説明する機会を設けた。放射線防護の科学を国民にわかり易く説明する機会は、ちょうど3月11日の宮城沖地震と重なった。当然内部被曝としては、放射性ヨウ素の問題がより重要なので、それ以後、10年前の科研費研究の成果と合わせて、福島第一原子力発電所に原因する放射線衛生問題に取り組んだ。次年度も、国家的問題にも言及しながら進めていく。
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Research Products
(16 results)