2010 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク旧核実験場近郊住民を対象とした疫学データベース構築と健康影響調査
Project/Area Number |
21510064
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
片山 博昭 財団法人放射線影響研究所, 情報技術部, 部長 (20360852)
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Keywords | 放射線 / 低線量被曝 / 国際研究者交流 / セミパラチンスク |
Research Abstract |
これまでに蓄積された疫学解析用データベースから得られた解析内容に関し、保健省のドスカリエフ保健大臣に2010年6月に説明を行った。線量推定式がまだ完成していないので、放射線による人体への影響を解析する事はできないが、登録された住民に対する疫学的な観点からの解析を紹介し、データベースの有益さを理解して頂き、カザフ放射線医学環境研究所に対する更なる支援を要請した。現地で臨床検査結果入力プログラムを作成していたプログラマーが退職し、後任を探している。後任が見つかるまで、臨床検査結果の入力を中止することとした。また、住民基本情報を入力する担当者が頻繁に変わるために、入力規則が守られていない例が多々見つかった。現地の責任者とどのように入力規則を守らせるかを協議、誤って入力されたデータの修正に関しても協議を行った。2011年3月にロシア連邦医学生物庁ブルナシヤン医学生物物理学センター・シンカレフ博士の指導の下、グラノフスカヤ研究員を同行し、現地研究所職員と線量推定の計算について協議を行う予定であった。また、その際に個人同定部分を除く疫学データを持ち帰り、線量計算及びそれを用いた疫学解析を行う予定であったが、2011年3月11日の東北関東大地震のために、日本国内での支援体制を充実させるため現地訪問を中止し、2011年5月末にグラノフスカヤ研究員と現地を訪問し、現地研究員との多岐に渡る個人情報を元にした居住歴を構築する為に方法を協議した。この居住歴及びそれに付随する情報は、個人毎の被曝線量を計算する上で重要である。
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