2011 Fiscal Year Annual Research Report
ネイチャー・テクノロジーを援用したサステイナブルな環境空間の構築と総合評価
Project/Area Number |
21510079
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
稲垣 照美 茨城大学, 工学部, 教授 (90184712)
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Keywords | サスティナブル / ネイチャー・テクノロジー / 癒し / 環境 / エネルギー |
Research Abstract |
本研究は,福祉施設や病院などの医療施設・ホスピス等の福祉住環境の構築へ向けて,ネイチャー・テクノロジーに基づいたサスティナブルかつ省エネルギーな快適空間の総合的な設計指針を確立し,提唱した要素技術も含めてその効果を実験的に検証することを意図したものである.平成23年度は、研究開始からの当該年度までに提唱した要素技術(マイクロバブルによるホタル水圏環境の改善技術,遮熱塗料を施工した通気層制御型外断熱技術,色香と人の感性に関する評価技術)を個別に検証するとともに,これら要素技術群を試験的に構築したネイチャー・テクノロジーに基づいたサステフィナブルな模擬環境空間へ取り込んでその効果を総合的に評価した.ここでは,本研究で昨年度までに独自にアルゴリズム化した感性の因子分析・脳波計測・脳血流計測及びそれらのポストプロセッシング法を援用しながら検証を実施している.その結果,自然から抽出した色香に関して構築したデータベースは,ビジュアル面で人に快適な住環境の設計に有効であることを確認した.通気層制御型外断熱技術は,省エネルギー面で自然エネルギー有効利用法の一つであることを確認した.加圧溶解方式,気液二相回転せん断方式,キャビテーッション方式で作成したマイクロバブルは,溶存酸素量の増大や弱アルカリ化など人間環境に身近な水圏環境の生態系改善に有効であることを確認した.この際,農業用水路向けに設計・設置したマイクロ・ナノ水車による自然エネルギー発電を補助的に活用した.大型風力発電に由来する極低周波騒音が人の感性に及ぼす影響を検証し,自然に優しいと考えられる技術であっても静かな日常に悪影響を及ぼす生活環境騒音の一つになり得ることを検証した.最後に,これら要素技術を可能な限り一つの模擬的空間へアセンブルして評価した結果,快適空間の総合的な設計指針を確立した.
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Research Products
(23 results)