2010 Fiscal Year Annual Research Report
四型分泌機構を利用した動・植・酵母細胞への長鎖核酸導入
Project/Area Number |
21510209
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
守口 和基 広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30294523)
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Keywords | 四型分泌系 / 生物界間接合 / イネOc培養細胞 / 弱毒性大腸菌 |
Research Abstract |
本年度は申請した実施計画に従い,植物細胞に対し毒性の低い大腸菌株の単離を主に取り組んだ。 まずイネOc培養細胞を用いて,植物病原菌のアグロバクテリアと大腸菌間での細胞毒性の差を,カルス形成可能な最大菌数を比較することにより確認した。その結果,1.7×10^6のOc細胞に混合可能な最大菌数はアグロバクテリアが7.5×10^7に対し大腸菌は1.2×10^6であり,64倍の差が観察された。この結果は当初の推定通りアグロバクテリアが植物の防御応答をすり抜けるのに対し,大腸菌ではアポトーシスなどの防御応答反応が誘導されたためと考えられた。 そこで大腸菌の1遺伝子ノックアウト変異株コレクションのKeioコレクションを用い,Oc細胞に対し毒性の低い大腸菌株の単離をゲノム網羅的にスクリーニングした。総計3909株を解析した結果,8株の弱毒性変異株を得ることができた。この中の2変異株については,近縁菌であるサルモネラ菌において原因遺伝子の変異が弱毒化を引き起こすことが報告されている為,四型分泌系を利用した遺伝子導入(生物界間接合)の際に動・植物細胞両方に対して使用可能なドナー株として今後期待できることがわかった。 並行して,動・植物細胞それぞれに対する四型分泌系を利用した遺伝子導入用のベクターを作製した。双方共にGFP遺伝子を保持させ,一過的な形質転換体を生きた状態で検出できるようした。また,安定した形質転換体を選抜できるようにそれぞれG418耐性遺伝子,ハイグロマイシン耐性遺伝子をそれぞれ保持させた。
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