2011 Fiscal Year Annual Research Report
四型分泌機構を利用した動・植・酵母細胞への長鎖核酸導入
Project/Area Number |
21510209
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
守口 和基 広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30294523)
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Keywords | 四型分泌系 / 生物界間接合 / イネOc培養細胞 / タバコBY-2培養細胞 / タマネギ表皮細胞 / 接合用弱毒性大腸菌株 |
Research Abstract |
東日本大震災の影響により研究費の交付に影響が出た為に、年度始めにテーマの絞り込みをおこなう必要が生じた。リスクは高いが、これまでに成功例が報告されていない、植物細胞への生物界間接合による遺伝子導入の実現に集中する事とした。 (1)昨年度までの知見を利用して大腸菌DH10B株から植物細胞に対して毒性の弱い新規株を作製した。 (2)昨年度作製した生物界間接合用のベクターを、パーティクルガン法またはアグロバクテリウム法を用いて植物細胞へ導入し、形質転換体を検出できるかどうかの確認をおこなったが、一過的形質転換体を検出する為にマーカーに用いたCaMV35Sプロモーター制御下のgus:gfp融合遺伝子の発現による蛍光は判別できなかった。 (3)単子葉植物での蛍光強度を上昇させる為に、トウモロコシのユビキチンプロモーター制御下にgfp遺伝子を発現させるベクターを作成し、植物細胞へ導入したところ、タマネギ上皮細胞、タバコBY-2培養細胞において蛍光を確認した。このベクターを弱毒性大腸菌株へ導入し、生物界間接合をおこなったところ、上記2種の細胞でGFP蛍光を発する一過的形質転換体を観察する事ができた。しかしイネOc培養細胞では細胞の自家蛍光が強く、作製したベクターでは一過的形質転換体の判別を明確におこなう事ができなかった。 (4)(3)のベクターのマーカーをgfpからD型アミノ酸分解酵素遺伝子のdao1に変更したベクターを作製した。イネOc培養細胞に対し生物界間接合をおこない、D-セリンを含む培地上で培養したところ、安定形質転換体を得た。 上記のように、世界で始めて生物界間接合による植物細胞への遺伝子導入に成功した。
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