2009 Fiscal Year Annual Research Report
N末端ドメイン欠失型コンドロモジュリン-1の構造決定血管新生抑制活性
Project/Area Number |
21510224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
開 祐司 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (40144498)
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Keywords | コンドロモジュリン-1 / 血管新生抑制因子 / 細胞外マトリックス / 蛋白質分解 / 結合組織 |
Research Abstract |
すでに作成した抗ラットChM-Iドメイン1抗体(ポリクローナル)の他に、ヒトChM-Iドメイン2に基づいた4種類のペプチド(即ちQ50-L62, C83-N95, G88-N95, C109-V120)に対する抗ペプチド抗体を作成した。そこで、ラット肋軟骨を採取し8M尿素抽出(8M Urea, 50mM Tris-HCl(pH8.0), 1mMDTT, 1mM EDTA)の後、これを系統的にWesternblot解析した。その結果、ドメイン1に対する抗体を用いたWestern blotでは約20-25kDaの成熟型ChM-Iのみが検出されるのに対して、ドメイン2配列に対する抗体ではいずれも14-15kDaに相当する蛋白質バンドが検出された。特に、C109-V120に対する抗体も反応することから、このChM-I分子種では、C末端は保持されているがN末端を大きく欠失していることが示唆された。また、293細胞にヒトChM-I cDNAを発現させて得た生物活性な組換えヒトChM-Iに対して得たモノクローン抗体の内でドメイン2に反応すると推定される抗体がいずれもこの14-15kDa分子種をも検出することが判明した。ウシ胎仔四肢由来の軟骨の1Mグアニジン塩酸抽出物中にも同様の分子サイズ(14-15kDa)に相当する免疫交差バンドが検出された。そこで、このモノクローン抗体を用いてラット肋軟骨8M尿素抽出物中のChM-Iを免疫沈降した後、SDS-PAGEを行って15kDa ChM-Iに相当する蛋白質バンドを得た。質量分析により15kDa ChM-Iが濃縮されていることが判明したので、現在、そのN-末端アミノ酸配列の決定を行っている。さらに、当初の研究計画に従って、新しいモノクローン抗体によりラット軟骨における局在を詳細に解析した。
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