2009 Fiscal Year Annual Research Report
インド商業集団(マールワーリー)の研究、グローバル経済と地域社会の結節点として
Project/Area Number |
21510279
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中谷 純江 Kagoshima University, 国際戦略本部, 准教授 (30530034)
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Keywords | 文化人類学 / ジェンダー / 表象 / 近代ヒンディー文学 / 都市研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、全インドにおいて商業・金融業を掌握し、近代セクター資産の半分以上を握るといわれた商業集団「マールワーリー」に焦点をあて、彼らを輩出したラージャスターン州シェーカーワト地域社会について分析することにある。マールワーリーは、16世紀頃から北インド各地や南インドに進出をはじめ、商業活動の基盤を築いた。そして、19世紀から20世紀初頭には、主要な貿易都市ボンベイとカルカッタを中心に、産業化の過程で他の商業集団を圧倒する成功をおさめ、インドを代表する産業資本家へと成長をとげた。独立後のインド経済においてマールワーリー民族資本が占める割合は抜きに出て高く、民間経済における彼らの影響力の大きさはしばしば指摘されてきた。しかし、彼らの進出先での経済活動について言及したものを除くと、実のところマールワーリー社会についての研究は多くない。本研究では、マールワーリーの出身社会をあつかう。後にインド各地に進出し、マールワーリーとよばれるようになる人々が、シェーカーワト地域各地の商業町を活動拠点とした18世紀頃から、産業資本家となって故郷を離れる20世紀半ばでの間の、商業コミュニティの人々の社会経済的活動を明らかにする。特に、彼らが商業活動によって得た富をどのように消費してきたのかに注目し、彼らにとっての経済活動の意味を考察するものである。今年度、研究代表者(中谷)は、マールワーリーの出身地であるインド、ラージャスターン州チュールー市で予備調査を実施した。予備調査では、現在の家族の社会経済的状況を把握するとともに、婚姻相手の選定基準について明らかになった。来年度は、この調査結果をもとに本調査の対象となる家族の選定をおこない、複数家族を対象に彼らの婚姻ネットワークおよび家族史について聞き取りを実施する予定である。研究協力者(小松)は、インドのネルー図書館で、マールワーリーについて書かれた19世紀の出版物を収集した。また、研究協力者との勉強会を合計7回、関連分野の研究者を招聘しての研究会を一回、開催した。
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Research Products
(3 results)