2010 Fiscal Year Annual Research Report
男女医師のワークライフバランスとキャリア形成の研究
Project/Area Number |
21510283
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中村 真由美 富山大学, 経済学部, 准教授 (30401269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 哲 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (20401268)
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Keywords | ジェンダー / ワークライフバランス / 医師 / 家族 / 専門職 / 法曹 / キャリア形成 / 計量 |
Research Abstract |
本研究の全体構想と目的は、(1)医師のキャリア形成や、家庭における性別役割分業の実態を明らかにする為に、質的・量的な調査を行い、医師(特に女性医師)のキャリア形成やワークライフバランスを阻害する要因や改善点を明らかにし、(2)さらに将来的には、すでに行った「法曹に対する質問紙調査(平成18-20年度科研費研究基盤C「医療・法曹職女性の研究」研究代表者中村真由美)」の結果とあわせ、医師と法曹の比較研究を行うことで、2つの専門職の間の制度の差異に着目し(労働の柔軟性など)、制度が女性の性別役割分業やキャリア形成に与える影響について検証することを目的とする。 医師のキャリア形成と性別役割分業についての調査・分析を行うことの意義としては、それが、現在大きな社会問題になっている医師不足の改善や、女性の人的資本の有効活用に資することにある。現在、女性医師の割合は増えているが、その専門分野や働き方・キャリアパスには男性医師との差があり、それが現場における医師不足につながっている。従来の医師のキャリア研究では、ジェンダー1差に焦点をあてたものはまだ少なく、医師の家庭内役割分業に焦点をあてた研究も少なかった。本研究においては、ジェンダー差に焦点をあて、社会学の理論や知見・手法を用いて、キャリア履歴の詳細や、家庭内役割分業の実態を量的・質的な調査・分析によって明らかにすることで、女性医師が直面している問題に新たな視点から光をあてることができる。 なお平成22年には、男女医師のキャリア形成と家庭と職場における性別役割分業(専門分野や働き方、および家事育児分担等のジェンダー差)についての量的調査(web調査)を実施した。有効回答数は1876票であった。医師のキャリア履歴と家庭内役割分業についての詳細かつ貴重なデータを得ることができた。今後は、このデータの量的な分析を一層進めていきたい。
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Research Products
(3 results)