2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジア現代女性史の研究:冷戦時代の国際女性運動とアジア
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21510286
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤目 ゆき 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (60222410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 ベバリーアン 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (10432436)
南田 みどり 大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (80116144)
今岡 良子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (50273735)
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Keywords | Women's International Democratic Federation(国際民主女性連盟) / モニカ・フェルトン / ウジェニー・コットン / アジア女性史 / ギレッテ・ジーグレー / フランス女性同盟 / レ・ティ・ニャム・トゥエット / ルードゥ・ドー・アマー |
Research Abstract |
(1) 2010年度は、第一にWIDF(国際民主女性連盟)の研究を行った。WIDFが創設された背景には、第二次大戦下のヨーロッパにおけるレジスタンスのネットワークが存在している。そこでフランス、オランダ、ベルギー、ドイツのレジスタンスに関する博物館の見学や資料収集を行い、各国のレジスタンス運動と女性運動の連関を調査した。特に重視したのはフランスの女性運動の調査であり、創設期のWIDFの会長ウジェニー・コトンとWIDFの朝鮮戦争調査団に参加したギレッテ・ジーグレーに関する研究を進展させた。なお、イギリスのモニカ・フェルトンの研究においては、昨年度に収集した資料を読み解き、フェルトンがインドに移住してからの活動に焦点をあてて研究を行った。 (2) 第二に、冷戦時代の日本女性運動に関連して、広島湾地域の女性史研究を進展させた。「反核の聖地]・「国際平和都市」というイメージで語られることの多い広島だが、広島湾地域は冷戦時代から現在にいたるまで軍事施設が集中する地域であり続けている。朝鮮戦争下の広島湾は、戦場に直結する米軍基地を抱える岩国・英連邦軍が総司令部を置いた呉・江田島と、地域全体が朝鮮戦争の基地であった。2010年にはこのような広島湾地域における軍事的性暴力、朝鮮戦争時代・ベトナム戦争時代の女性教員たちと母親たちの運動、占領軍被害者補償請求運動、反核・反基地運動における女性たちの役割、女性史からみた部落解放運動などについて研究を行った。 第三に、韓国、ビルマ、ベトナム、モンゴル、フィリピン、インドネシア、フィリピンなどアジア各地の女性運動史について研究分担者・研究協力者とともに研究会を開き、駐韓米軍「基地村」の女性たちによる運動に関する調査、レ・ティ・ニャム・トゥエットによるベトナム女性史に関する業績の研究、ビルマのルードゥ・ドー・アマーに関する資料収集などに取り組んだ。
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Research Products
(6 results)