2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドの分権化政策とジェンダー関係変化に関する人類学的研究
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21510297
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Research Institution | Chikushi Jogakuen University |
Principal Investigator |
喜多村 百合 Chikushi Jogakuen University, 文学部, 准教授 (20284458)
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Keywords | 文化人類学 / 開発とジェンダー / エージェンシー / インド |
Research Abstract |
ケララ州の分権化による女性の政治経済参加に関する継続調査を、T県S村で施した。女性議員8名の選挙区視察と聞き取りを行い、同時にジェンダー予算による貧困削減プログラムKudmbashreeの稼働状況を視察し、メンバーへの聞き取りを行った。さらに女性議員の政治参加の課題について、州計画委員会のM.Eapan委員と、2009年実施した女性議員の大規模調査を踏まえた議論を行い、政治参加意識は高まりつつあるが根強い伝統的ジェンダー規範の確認がなされた。また州開発研究所でDevika准教授らが行ったKudumbashreeに関する大規模調査では、福祉アプローチという問題が指摘された。なおMinistry of Panchayat Rajがパンチャーヤト議員に関する全国規模の調査を行い報告書を発行したので、今後の州比較調査の準備に充てる所存である。 またH22度に実施予定のグジャラート州における女性の政治経済参加調査に際して、昨年ケララ州女性組織SAKHIがグラジャラート州NGOに実施したワークショップを分析すると、ケララ州におけるパンチャーヤト制やジェンダー配慮が、極めて高い水準で運用されている点が明らかになった。 以上を総合化すると、留保枠導入に伴う主婦の政治参加が加速しているものの、制度化に著しい州間格差がある点が指摘された。また女性議員の政治的関心の高まりが読み取れる反面、各種トレーニングの必要性が指摘された。経済参加についても、APL(貧困ライン以上)の主婦たちによる起業が増え、ジェンダー変化に伴う公共圏と親密圏の再編、村落ガヴァナンスの変化の兆しが示唆された。
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