2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 時昌 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50179644)
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Keywords | 中国哲学 / 中国の占術 / 術数学 / 陰陽五行 / 五音 / 馬王堆帛書 / 日書 / 刑徳 |
Research Abstract |
1. 中国占術関連資料のデータベース作成 天水放馬灘秦簡、随州孔家坡漢簡、臨沂銀雀山漢簡等の『日書』における五音説について、釈文と図版によって本文を校勘し、注釈を施した汎用データベースを作成した。また、馬王堆帛書の『刑徳』甲本、乙本、丙本、『陰陽五行』乙篇の各種テキストを電子化し、そこに展開された刑徳説についてテキスト校合して、復元テキストを作成した。そして『淮南子』天文訓、五行大義』『開元占経』『乙巳占』『武経総要』)等の関連論述を集録して、検索用データベースを作成した。 2. 中国占術の理論分析 作成したデータベースを用いて、中国占術理論の数理的考察を行った。主要な考察対象は、五音の五行配当と刑徳の遊行説である。前者では、『〓冠子』や日書に見られる五音配当の異説に着目し、また放馬灘『日書』における音律の配当説と占術を数理分析することで五行説と音律理論の関連性を探った。後者では、後世の歳徳、歳刑として知られる刑徳二神の占術理論について、新出土資料を読解することで、その起源と数理構造を考究した。それらの成果の一部を論文にまとめ、学会で口頭発表した。 3. 中国占術研究会の開催及び国際ワークショップへの参加 日書・術数書を会読し、研究発表を行う研究会を月1回程度開催した。2010年9月11日には、韓国での術数学国際ワークショップに参加した三浦國雄氏を招いて講演してもらい、次年度に行われる第2回国際集会に共同で参加することを話し合った。また、2010年9月21日-27日に中国出張し、長沙の岳麓書院で整理中の秦簡古算書『数』に関する国際ワークショップに参加し、北京で資料調査を行った。なお、2011年3月13日(日)に大正大学にて術数学シンポジウムを企画したが、東日本大地震のために当初に予定した大規模な研究集会が実施できず、2011年の秋に延期して開催することにした。
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