2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520123
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山本 建郎 秋田大学, その他の部局, 名誉教授 (30006572)
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Keywords | ハルモニア / トノス / オクターヴ / 旋法 / ドーリア / リュディア / プリュギア / メセー |
Research Abstract |
主要課題として掲げたアリスティデス・クィンティリアヌスの『音楽論』全三巻の翻訳については、一応完了したのだが注釈の作成に手間取り、文書(注釈と解説付きの本格的な翻訳書)としての刊行には至らなかった。ただいまも注釈作成は続行中であり、半年以内には翻訳書として刊行する予定である。 課題遂行の内容面としては、アリストクセノスによって体系化された音階理論(ハルモニア論)のローマ帝政期における受容の跡ははっきりと辿られ、アリストクセノス本人において不明とされている点も間接的に解明された。ヨーロッパクラシック音楽の近代和声との比較検討も相当程度になされ、アリストクセノスの理論の近代性も予測以上に認められた。 本邦の古典芸能の音律との比較検討については、平曲の音律の分析に努め、いわゆるウキ(浮き)の技法にトノス(全音)を指定する方法論的な手続きとの類似性を認めることができた。
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