2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヴァーチュアル・リアリティ・ネットサイト「社会」における表象文化論的調査研究
Project/Area Number |
21520135
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 幹郎 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60185874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 真 国士舘大学, 文学部, 教授 (90221382)
|
Keywords | ヴァーチュアル / インターネット / インタラクティヴィティ |
Research Abstract |
本研究者と分担者が、研究実施計画に基づき、平成23年度に実施した研究およびその成果業績概略すると、以下のようになります。本研究代表者と分担者が共同してヴァーチュアル・リアリティ・ネットサイトの物質的構成要素であるディジタル・アニメーションを過去1世紀のアニメーションの美学的歴史に照らして分類、分析し、ヴァーチュアル・リアリティ・ネットサイト市民(ユーザー)にあたえる視聴覚効果を計測する作業を、昨年度に引き続き行いました。このアスペクトの分析には海外共同研究アドバイザーとの、eメイル上で意見交換を行いつつ進められました。 また、本研究分担者が各地で開催されるさまざまなメディア・アート・イヴェントを継続的に視察し、ヴァーチュアル・リアリティ・ネットサイトとメディア・スタディーズの摺り合わせをおこないました。また、昨年度に引き続き、本研究代表者および本研究分担者は各地で開催される国内のメディア学会に参加し、専門家との意見交流行いました。 これらの研究の成果は、本研究代表者が2011年10月刊行した『日本映画論』(岩波書店)、また監修し、2011年10月に刊行された「映画学草書」第二巻『映画の身体論』および2011年12月に刊行された同叢書第三巻『映画のなかの社会/社会のなかの映画』(ミネルヴァ書房)として公開され、高い評価を得ました。また、本研究分担者は、国士舘大学文学部人文学会学会誌『国士舘人文学』2号に「アニメーション映画における景観と俯瞰-宮崎駿のアニメを中心に」を発表しました。また、以上のプロセスで得られたデータを逐一データベース化する作業を継続的に行いました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の順調な進捗は、すでに3年間にわたって継続的に発表、公刊されている成果発表されている著書、論文、口頭発表等で明らかであり、さらにはその関連学問研究領域の学会、研究者における高い評価を見ても、その達成の意義は広く社会に還元されていると考えられます。本研究代表者を監修者とし、本研究の達成の上に新たなる展開を志す広範な研究者の参加を得た上記映画学叢書の発刊もその一つといえるでしょう。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は本基盤研究の最終年にあたるので、研究実施計画に基づき、研究の取りまとめを行う予定です。引き続き、本研究代表者と分担者が共同してヴァーチュアル・リアリティ・ネットサイトの物質的構成要素であるディジタル・アニメーションを過去1世紀のアニメーションの美学的歴史に照らして分類、分析し、ヴァーチュアル・リアリティ・ネットサイト市民(ユーザー)にあたえる視聴覚効果を計測する作業を行うとともに、過去3年間のデータ及び分析の蓄積に基づき、このアスペクトを統合的に検討する予定です。また、昨年度に引き続き、本研究代表者および本研究分担者は各地で開催される国内のメディア学会に参加し、すでに発表した成果について専門家との意見交流を行い、より精緻にして、広範な研究領域に展開可能な普遍性を持った定式化に向けて研究を進める予定です。また、以上のプロセスで得られたデータを逐一データベース化する作業を継続的つづけ、オンラインで公開予定です。
|