2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520164
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
白石 美雪 Musashino Art University, 造形学部, 教授 (60298023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 陽一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (70299957)
今岡 謙太郎 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (30277777)
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Keywords | 総合芸術批評 / 洋楽 / 国学 / 演劇 / 演芸 / 芸術評論 |
Research Abstract |
本研究は明治期において、近世からの芸能をめぐる文化の実体と近世から継続する国学が、近代に移入された西洋芸術(音楽)と芸術学と対立しつつ融合していく過程を、「総合芸術批評」という視点から問い直すものである。2009(平成21)年度は、(1)導入期の西洋音楽と関連する新聞雑誌批評として、『東京日日新聞』と『読売新聞』の音楽記事から批評の対象と語彙の分析に取り組み、(2)国学における批評への手掛かりとして小中村清矩の関係資料から、『歌舞音楽略史』などの文献を国学の視点から読み直し、(3)伝統芸能に関連する新聞雑誌批評として、『読売新聞』の演芸・演劇に関する記事におけるジャンルや批評の語彙を抽出する作業に取り組んだ。とりわけ(1)においては大新聞である『東京日日新聞』と小新聞である『読売新聞』における音楽批評の萌芽の時期と論調がずれている点に着目し、(2)においては榊原芳野の『文芸類纂』(明治11年)の編集過程なども参照しながら、小中村清矩について国学における考証から批評へという展開に着目し、(3)においては近代国家をめざす上からの近代化に対して、演芸・演劇に関する民衆の意識に着目した。 研究分担としては、白石美雪(研究代表者)が研究全体の調整と(1)を行い、高橋陽一(研究分担者)が中心となって(2)の文献調査を行い、今岡謙太郎(研究分担者)が(3)の調査にあたり、各ジャンルにおける批評意識の成立について認識を共有した。
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Research Products
(1 results)