2009 Fiscal Year Annual Research Report
SFファンタジー・コンテンツの海外での受容に関する人文・社会科学の総合的研究
Project/Area Number |
21520168
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
長澤 唯史 Sugiyama Jogakuen University, 国際コミュニケーション学部, 教授 (50228003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立岡 浩 四天王寺大学, 経営学部, 教授 (40301650)
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Keywords | ポップカルチャー / マンガ・アニメ / SF・ファンタジー / 北米・欧州 / コンテンツ産業 / 知的財産権 |
Research Abstract |
本研究は、アニメやマンガを含む日本のSFファンタジー・コンテンツが海外でどのように受容・評価されているかについて、美学的・文化史的な分析評価と法・政策・マネジメントのレベルでの議論を融合することを目指している。初年度の平成21年度は、以下の点について文献等による検討及び北米(長澤)、欧州(立岡)での現地調査を行い、以下の成果を見た。 1.海外における受容の現状、受容傾向:主要なジャンルは少年マンガが中心。現地語への翻訳や現地特有のフォーマットへの適応よりも、日本での形態、内容そのままを求めるファン層は根強い。これが動機となって日本語学習・日本研究へと結び付いているケースが多くみられる。 2.具体的な受容・享受の現状についての調査・分析:テレビや雑誌などの従来型媒体よりは、DVDやインターネット等の先進的メディアとの親和性が強い。日本と同様、購買力のある10代後半から20代の年代層が中心。 3.海外での受容・研究の成果:専門誌の発刊や相次ぐ研究書の発行など、日本研究の中でのポップカルチャー研究はさらに理論化・精緻化している。 本年度の調査の大きな成果としては、受容形態の変化が急速に進んでいることを確認できたことである。かつては各文化圏のフォーマットに合わせることで受容を促していたものが、日本のオリジナルにできるだけ近いものを歓迎する、という方向に変わりつつある。日本の現代文化の輸出にとって、大きな転換期を迎えつつあることが確認できた。
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