2009 Fiscal Year Annual Research Report
季節感、季節認識に関する比較文化研究-俳句の国際化を視座として
Project/Area Number |
21520177
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松井 貴子 Utsunomiya University, 国際学部, 教授 (90315276)
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Keywords | 俳句 / 季節感 / 文化比較 / 異文化受容 / ハワイ / 熱帯 |
Research Abstract |
ハワイとアラスカで詠まれた俳句作品集Haiku of Hawaii(A.S.Morrow, 1970)とAlaska in Haiku(D.Hoopes, D.Tillion, 1972)に収録された作品のうち、特にハワイの冬の俳句とアラスカの夏の俳句について読み進めるとともに、Haiku in Enghsh(H.G.Henderson, 1967)などの英文俳書、『世界大歳時記』に収録された日本人によるハワイとアラスカでの海外詠、『角川俳句大歳時記』、『カラー版新日本歳時記』、『ザ・俳句十万人歳時記』などの日本の歳時記に加えて、ハワイとアラスカの気候風土に関する文献資料、映像資料を調査して、実地調査のための準備とした。 その上で、平成22年1月にハワイで実地調査を行い、熱帯に属するハワイで冬の俳句を作ることについて、有益な知見を得ることができた。また、ハワイ日本文化センター他で、日本で見ることが難しい資料を新たに収集することもできた。 論文の成果としては、「ハワイ俳句のためのノート」(「外国文学」59号 2010・3 75-84頁)をまとめ、熱帯季題小論、ハワイの気候風土、アメリカでの俳句、ハワイの冬の俳句など、日本と気候風土の異なる地域での俳句創作に関する論点を整理した。 これらの調査研究の成果が評価され、平成22年7月に台湾で開かれる2010世界日本語教育大会に招待を受け、国際シンポジウム「多文化の中の日本語教育と日本研究」において、「俳句の特質と季節認識-多文化への発信」として発表することにつながっている。国際学会において、科研費による研究成果を発表するとともに、多くの研究者との意見交換によって、本研究が進展し、深化することが期待される。
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