2010 Fiscal Year Annual Research Report
季節感、季節認識に関する比較文化研究-俳句の国際化を視座として
Project/Area Number |
21520177
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松井 貴子 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (90315276)
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Keywords | 俳句 / 季節感 / 文化比較 / 異文化受容 / 台湾 / ハワイ / アラスカ / 北極圏 |
Research Abstract |
研究成果の発表として、平成22年7月31日~8月1日に、国立政治大学(台湾)で開催された2010世界日本語教育大会International Conference on Japanese Language Education「多文化の中の日本語教育と日本研究」において、「俳句の特質と季節認識-多文化への発信」という題目で、主催者招待による口頭発表を行った。学会の最後に行われた講評会では、「日本文学」総括担当の陳明姿氏から、日本文学研究として優れていることに加えて、文学研究と日本語教育をつなぐ重要な研究であるとして高い評価を得ている。 そして、平成22年8月に、ハワイとアラスカで実地調査を行い、ハワイとアラスカにおける季節意識や、日本で使われているのと同じ季語を使って俳句を作ることについて、有益な知見を得ることができた。同時に、ハワイ大学、ハワイ日本文化センター、ビショップ博物館、アラスカ大学、アンカレジ歴史芸術博物館、アラスカ民族文化センターなどで、日本では見ることが難しい資料を新たに収集し、調査研究を進めた。 論文の成果としては、「アラスカ俳句のためのノート」(「外国文学」60号2011・3 67-81頁)をまとめ、アラスカの気候風土、アメリカでの季節認識、アラスカの夏の季語など、日本とは異なる気候風土を持つ地域での俳句創作に関する論点を整理した。
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