2009 Fiscal Year Annual Research Report
中世小説の生成発展過程の研究―伝本・説話・挿絵を中心に―
Project/Area Number |
21520194
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
勝俣 隆 Nagasaki University, 教育学部, 教授 (70141934)
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Keywords | 室町物語 / 中世小説 / 御伽草子 / 本文 / 挿絵 / 伝本 / 説話 / 生成過程 |
Research Abstract |
本年度は、初年度でもあり、今後五年間の研究を達成するために、主に準備期間に当てた。即ち、設備備品においては、伝本の調査先での迅速な調査に資するために、携帯に便利な軽量で高性能のノートパソコンを購入した。是により、デジタルカメラ等で撮影を許可された場合は、その場や調査先の宿泊施設において、画像を入力し、整理し、かつ処理することが可能になった。勿論、必要な各種データを事前に組み込むことで、調査や考察を円滑に行うことも可能である。また、本研究を遂行するためには、先行論を確実に押さえておく必要があるが、そのために設備備品費で、中世小説(御伽草子)・仮名草子・説話文学・挿絵と本文等に関する図書をかなり沢山購入することが出来た。これらは、今後の研究において、調査した伝本の考察や、作品の読解、挿絵と本文の関係、中世小説の生成・発展過程を考察するに当たって、大いに参考になるものと確信している。また、今回、調査旅費を遣い、佐賀県の多久市立郷土資料館等で中世小説の伝本を調査し、その写真を撮影することが出来た。他に、東京でも、何点か伝本調査を行うことが出来た。これらを基に、浦島伝説や桃太郎の昔話、さらには御伽草子渋川版の挿絵について、そのコードとしての意味を考察し、論文として発表出来た。なお、次年度の海外調査のための情報収集も併せて行い、今後の研究に備えた。
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Research Products
(12 results)