2013 Fiscal Year Annual Research Report
中世小説の生成発展過程の研究―伝本・説話・挿絵を中心に―
Project/Area Number |
21520194
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
勝俣 隆 長崎大学, 教育学部, 教授 (70141934)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中世小説 / 御伽草子 / 室町物語 / 挿絵 / 本文 / 説話 / 伝本 / 生鮮発展過程 |
Research Abstract |
中世小説の伝本を多数閲覧し、書誌学的調査を行い(国内外の調査研究旅費)、書誌学・文学的・美術的価値の高い伝本の写真撮影や撮影依頼により、資料を多数入手出来たこと(複写費・印刷費等)。国内外の大学・博物館・美術館・図書館等に所蔵される中世小説の閲覧で、広範囲に網羅的な伝本調査や資料収集が行えたこと(外国旅費・複写費・印刷費)。外国調査では、中国・韓国・オランダ・ベルギーの留学生が、案内・通訳・調査補助をしてくれて、日頃の留学生との交流の有効性を改めて認識できたこと。外国の訪問先の担当者と帰国後もメールのやり取り等を通して、翻刻の依頼や情報交換等様々な便宜を得られたこと。 閲覧出来た伝本の中から、翻刻し学界に紹介するに足るものを、許可を得て解題を付けて活字化できたこと。特にライデン民族学博物館所蔵の『貴船の本地』はシーボルトが持ち帰ったもので、調査の手は及んでなかったので、その意味で意義がある。中世小説の源流の一つでもある七夕・羽衣・柘枝などの伝説が、中世小説とどう関わるか、伝説を分析したこと。川を流れてくる桃や瓜、さらに扇などの意味を分析し、男女の結合や異郷からの訪問を示す意味があることを論じたこと。また、ジャンルを問わず、日本文学では、男女が出逢うには、姿形が同一の種類であることが必要で、動物が動物のままなら人間とは結婚できないこと、動物の正体が露見すれば、夫婦生活は破綻することなどの法則を論じたこと。黒田日出男氏のコード論を利用して、「遠山」というコードが、渋川版の中でどう利用されているか分析できたこと。海外に所蔵される奈良絵本・絵巻等の中世小説関係の伝本が、なぜ海外に所蔵されるようになった其の経緯について論じることが出来たこと。以上を総合し、中世小説の研究に関して、現在の問題点を考察出来たこと。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)