2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520222
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Research Institution | Ikenobo Junior College |
Principal Investigator |
松本 公一 池坊短期大学, 教授 (60442258)
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Keywords | 阿婆縛抄 / 行用抄 / 西山流 / 次第 |
Research Abstract |
本年は最終年にあたったため、調査と追加調査と冊子の報告書作成の三点を行った。調査については、叡山文庫・京都三千院でおこなった。叡山文庫では、天海蔵『阿娑縛抄』の調査をおこない、すでに公刊されている奥書集成の点検を行い、若干の誤りをただすことができた。また、図像のある本についても、特定の書写年のものに集中していることが確認できた。また法曼院蔵の写本のなかに、中世写本二十一本を新たに確認できた。三千院では『行用抄』二十三帖の調査を行い、前年までに調査を終えていた諸本との比較検討が可能となり、『阿娑縛抄』の次第にかかわる内容を補完できるようになった。また、修法史料としての『行用抄』の伝授の問題や『阿娑縛抄』との関係についても検討する材料としても重要であると考えられる。とくに伝授の問題については、西山流との関わりが明らかとなった。古記録にみえる修法史料データベースの作成については、鎌倉時代を中心とする古記録から、修法に関わる記事を検索して、作成した。はじめ平安時代からのものを計画したが、諸般の事情で鎌倉時代を中心とするものにとどめざるをえなくなった。しかしながら、修法名・修法に参加した僧侶・修法を行った場所・修法目的についてはほぼ網羅的なものを作成した。このような総合的なデータベースは管見のかぎりいまだ作成されていないと考えるが、本来は古記録本文も入力する予定であったが、それは完成しなかった。今後にその作業を継続して部分的にでも公開をしたいと考えている。本文テクストについては、ファイルメーカーを使用して作成をした。以上を含む三カ年の研究成果については、冊子体の報告書を年度内に公刊する。以上三カ年の研究成果については冊子体の研究報告書を刊行する。
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