2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポストモダニズムにおける社会的責任と道徳ー新しいユダヤ系アメリカ作家の抵抗
Project/Area Number |
21520255
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新田 玲子 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40180674)
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Keywords | アメリカ文学 / ユダヤ系作家 / ポストモダン / ホロコースト / 社会意識 / レイモンド・フェダマン / ウォルター・アビッシュ / 第二次世界大戦 |
Research Abstract |
5月にはホロコースト文学研究者の第一人者、AlanBerger氏を広島大学に招き、ホロコースト二世代作家について講演をしてもらい、その機会を利用して、この科研題目の研究に関するレビューを受けた。 その際のアドバイスに従い、昨年度から進めてきたRaymond Federman研究のうち、フランス時代の体験に基づくAunt Rachel's FurとReturn to Manureの二作品を、ポストモダニズムとホロコーストの観点から論じ、6月にハンガリーのペーチ大学で開催された第27回The International Conference of Literature and Psychologyで発表した。この論文は英語で公開すると同時に、夏休み中にフランス語に翻訳し、近々パリ大学の出版物に掲載予定となっている。 また、継続しているWalter Abish研究のうち、もっとも最近の自伝的作品Double Visionをポストモダニズムとホロコーストの観点から論じ、11月にアメリカ合衆国マイアミ市で開催されたJewish American and Holocaust Literature Societyの年次大会で発表した。また、この機会を利用し、Florida Atlantic Universityにおいて、原爆文学と関連させながらホロコースト文学の特徴についての特別講演を行った。 こうした作家研究や作品研究に並行し、ポストモダンの思想家のうち、ホロコーストの影響が強いTheodor Adornoの著作や彼に関連した書物も読み、これまですでに学んできたJacques Derridaら、他のポストモダン思想家と合わせて、ポストモダニズムとホロコーストの関係についての考察を深めている。
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Research Products
(7 results)