2009 Fiscal Year Annual Research Report
チカーノ演劇の境域性とアメリカ先住民文化における語りの伝統
Project/Area Number |
21520265
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
喜納 育江 University of the Ryukyus, 法文学部, 准教授 (20284945)
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Keywords | アメリカ文学 / アメリカ演劇 / チカーノ文学 / チカーナ / シェリー・モラーガ |
Research Abstract |
本年度は、チカーノ演劇のテクストの収集や講読に励む一方で、カリフォルニア州とニューヨーク州の大学を中心に、チカーノ・ラティーノ演劇関係の基礎的資料や、アメリカの演劇関係の資料を収集した。実際にコミュニティシアターレベルのラティーナ演劇についても調査するなど、アメリカにおけるチカーナ演劇の受容の現状について把握することに専念した。ルイス・バルデスの演劇実践およびホルヘ・フェルタの演劇研究などが今日のチカーノ演劇を理論と実践の両面で牽引している一方、チカーナ演劇については先行研究が非常に少ないことを理解した。本年度の最も大きな収穫としては、カリフォルニア州スタンフォード大学でArtist in Residenceとして演劇創作の指導にあたっている、チカーナ劇作家であるシェリー・モラーガ氏との面会を果たしたことである。氏は最も活発に作品を発表しているチカーナ(ノ)劇作家と言っても過言ではなく、以前から興味をもっていた作家であったが、今回、直接本人から自身の創作活動や演劇活動について話を聞くことができたことは、氏の作品のより深い理解につながった。このシェリー・モラーガの作品についての拙著の英語論文"Cherrie Moraga's Ecofeminist Aesthetics toward Reclaiming Chicana Body in Heroes and Saints and Watsonville : Some Place Not Here"は、台湾の伝統ある学術誌Tamkang Reviewに掲載された。
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Research Products
(2 results)