2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポストコロニアル的観点から考察した日英文学図像にみるオリエント表象の分化と変容
Project/Area Number |
21520270
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
千森 幹子 Yamanashi Prefectural University, 国際政策学部, 教授 (20236821)
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Keywords | 比較研究 / 外国文学 / 美術史 / 文化研究 / イラスト / オリエント / ポストコロニアリズム |
Research Abstract |
本研究は、ポストコロニアル的観点から、19世紀から20世紀英国で出版された文学作品挿絵における、日本中国中東にいたるオリエント表象の分化と変遷を、政治(帝国主義と植民地主義政策)社会(オリエント諸国への西洋観)および、文化(ジャポニズムに代表される美術様式や万博などにみられる西洋の東洋文化理解)を通じて検証する学際研究であるとともに、そのアジア表象と20世紀日本版西洋文学挿絵の関連影響を検証する日英比較研究である。 本年度に行った研究によって得られた新たな成果は、次の3点である。 1.海外調査:英国ケンブリッジ大学図書館等での調査研究・資料収集 (1)18~20世紀までの英国版挿絵本を調査。文学作品に描かれたオリエント図像の中でアラビアンナイト、アンデルセンにテーマを絞り、調査、図像資料調査、複写、収集。 (2)19~20世紀挿絵画家の作品で、ジャポニズムあるいは日本中国的な図像としてウォルター・クレインやハリー・クレーンなどの画像研究調査、画像複写 2.連携研究者との研究:ケンブリッジ大学Gillian Beer教授と協議(夏季・3月) 3.成果発表論文 (1)「明治の『ガリヴァー旅行記』とポストコロニアリズム」『翻訳文学総合辞典 日本における翻訳文学』(ナダ出版センター、2009) (2)国際学会発表'Post-colonial Interpretation of Boyishness in Early Japanese Translations of Gulliver's Travels'IRSCL, Johann Wolfgang Goethe University, Frankfurt, (2009. 8)
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Research Products
(3 results)