2009 Fiscal Year Annual Research Report
トニ・モリスン文学テクストにおけるおとぎ話深層構造の分析
Project/Area Number |
21520272
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
鵜殿 悦子 Aichi Prefectural University, 外国語学部, 教授 (00128638)
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Keywords | 英米文学 / アフリカ系アメリカ文学 / ジェンダー / セクシュアリティ / 人種 / 民話 / おとぎ話 / 語り |
Research Abstract |
本研究の目的は、トニ・モリスンの文学テクストにおけるおとぎ話深層構造を明らかにすることである。おとぎ話構造の抽出をモリスンの小説、評論、絵本等において行い、それが何故隠蔽されているのか、および、それとホモエロティシズムの関係を究明し、アフリカ系アメリカ文学研究に寄与しようとするものである。類似の研究はまだ見られないので、本研究の意義は大きいと考える。 本年度の研究は、ほぼ研究実施計画どおりに実行された。 [1.文献とテクストの読込み] 必要な文献を整備し、文献リストを作成し、文献を読み進めた。 [2.研究発表] 21年9月、黒人研究の会例会、および、22年2月、日本アメリカ文学会中部支部例会で上記研究成果の一部を研究発表した。また22年11月にパリ第8大学で開催される予定のThe 6^<th> Biennial Conference of the Toni Morrison Societyでの研究発表に応募し、受理された。パリ大学での研究発表を通じて日本での研究を世界に発信することができると思う。 [3.研究論文] 22年2月、Seijo English Monographs 42号、および、22年3月、『黒人研究』79号に、研究論文を投稿し、刊行された。また、22年3月末に発行された共著書『バード・イメージ-鳥のアメリカ文学』(金星堂)において「廃屋のカナリア-トニ・モリスンの『マーシイ』における愛の構図」と題する論文を寄稿した。なお、上記研究発表と研究論文はすべて「鵜殿えりか」の筆名で行われ、執筆されている。 当初謝金を使って文献リストを作成しようとしたが、本務校より補助があり謝金を使わずにすんだ。21年度の研究は22年度の研究への準備としての役割を果たした。
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Research Products
(5 results)