2011 Fiscal Year Annual Research Report
トニ・モリスン文学テクストにおけるおとぎ話深層構造の分析
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21520272
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
鵜殿 悦子 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (00128638)
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Keywords | 英米文 / アフリカ系アメリカ文学 / ジェンダー / セクシュアリティ / 人種 / 民話 / おとぎ話 / 語り |
Research Abstract |
本研究の目的は、トニ・モリスンの文学テクストにおけるおとぎ話の深層構造を明らかにすることである。深層に隠蔽されている物語構造とエロティシズムとの関係を究明し、モリスン研究のみならずアフリカ系アメリカ文学研究に寄与しようとするものである。本年度の研究は、シンポジウムの実施時期が翌年度の4月にずれこんだこと以外は、ほぼ研究実施計画どおりに実行された。 1.文献とテクストの読込み 必要な文献を整備し、文献リストを作成し、文献を読み進めた。 2.学会シンポジウムの企画 本年度始め「ハーレム・ルネサンスのアフリカ系アメリカ女性作家再考」と題するシンポジウムを企画し、アメリカ文学会中部支部第29回大会(平成24年4月22日開催)がその発表の場となった。気鋭のアフリカ系アメリカ文学研究者三名をオーガナイズし、年間を通じて相互に連絡をとりあい、発表内容を深めていった。シンポジウムでは鵜殿が司会・講師をつとめた。ハーレム・ルネサンスの女性作家の再評価を行うとともに、彼女たちとモリスンら現代作家との影響関係に注目した。21年度に科研費補助金にて購入したノート型パソコンを使用しパワーポイントによる提示を行った。 3.研究論文 ・『ことばの世界』(愛知県立大学高等言語教育研究所年報)4号に、研究論文"Desire Under the Closed Water:Homoeroticism in Toni Morrison's Sula"を発表した。なお、上記シンポジウムと研究論文は「鵜殿えりか」の名で行われ、執筆されている。 ・上記シンポジウムと研究論文と並行して、博士論文の執筆を進めた。博士論文については完成の目処をつけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画に沿って調査・研究がおこなえているため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策であるが、研究当初に作成した研究計画に基づく調査及び資料収集等をおこなっていく予定である。
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Research Products
(1 results)