2009 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ南部文学におけるナショナル・ナラティヴの意義―近代日本文学との比較考察
Project/Area Number |
21520286
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
後藤 和彦 Rikkyo University, 文学部, 教授 (10205594)
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Keywords | アメリカ南部 / 近代日本 / ナショナリズム / 「失われた大義」 |
Research Abstract |
本研究「アメリカ南部文学におけるナショナル・ナラティヴの意義-近代日本文学との比較考察」の初年度にあたる平成21年度においては、アメリカ南部において南北戦争敗退後におびただしく産出されたナショナル・ナラティヴとしての「失われた大義」言説の収集およびレトリック分析を主として行なうという当初の研究計画にもとづき、平成21年9月にはアメリカ南部諸州にあって、南北戦争前より枢要な地位をしめてきた都市(サウスキャロライナ州チャールストンおよびジョージア州サヴァナの歴史博物館を訪問、加えて南部の歴史および社会研究において重要な地位を占めているノースキャロライナ大学チャペルヒル校を訪問、さらに俯瞰的な見地から収集資料の整理を行い、すでに研究上さまざまな助言を得てきた同大学教授フレッド・ホブソン氏、ジュリアス・ローワン・レイパー氏、さらにノースキャロライナ州立大学教授バーバラ・ベネット氏と会談、リサーチの具体的なテーマを説明し、今後の方針を共有して、さらに助言を得て知見を広めることにつとめた。 日本においては研究にかかわる書籍、映像、音楽の資料をつとめて収集し、その整理を行い鋭意データベース化をおこなったが、翌年以降に特に重点をあてて研究をする予定の日本の近代期および15年戦争期の資料が多岐多彩にわたっていることを知り、その収集に特に意を用いることとした。 研究の具体的な成果としては目立つものはないが、本研究に継続・連携される形で、本務校の文学部内の教員研究会で発表を行って同僚諸氏の意見を聞く機会を得られたことと、また同様に本研究独自の観点をふまえた研究論文を2本執筆した(いずれも出版は2010年4月の予定)。
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Research Products
(2 results)