2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520329
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
三野 博司 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90117979)
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Keywords | フランス文学 / アルベール・カミュ |
Research Abstract |
1)平成22(2010)年10月に刊行された『文学作品が生まれるとき』(田口紀子・吉川一義編、京都大学学術出版会)に、単著論文「カミュ『異邦人』から『幸福な死』」(183-202頁)を発表。 2)平成22(2010)年11月4、5日、フランスのアンジェ・カトリック大学において開催された国際学会「アルベール・カミュ、『手帖』書くことの歓び」に出席し、欧米のカミュ研究者と情報交換を行った。カミュの創作手帖と位置づけられる『手帖』をテーマにした国際学会はこれが初めてであり、さまざまな観点からのアプローチを行った研究発表があった。『幸福な死』と『最初の人間』の関連を追及する研究にとっても意味深いものであった。 3)平成22(2010)年11月19, 20日、獨協大学国際フォーラム「カミュ、現在への感受性」に出席し、「ティパサのカミュ」と題した研究発表を行い、2つのエッセイ「ティパサでの結婚」「ティパサに帰る」を主として論じ、カミュにおける特権的トポスとしてのこのローマの廃墟のもつ意味を明らかにした。 4)平成22(2010)年12月、単著論文「カミュ,異境の正午(1)」(外国文学研究、第29号、奈良女子大学文学部外国文学研究会、p.67-91)を発表した。とりわけ『幸福な死』へと至る修業時代のカミュの歩みと、「母の主題」「父の主題」の深化を明らかにした。 5)平成23(2011)年3月、フランス語による単著論文「平凡な日曜日-『異邦人』から『幸福な死』へ」が、パリのシャンピヨン出版社から刊行された。《Un dimanche de tire-De la Mort heureuse a l'Etranger》in Comment nait une oeuvre litteraire?, Honore Champion (Paris) .pp.311-320.
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Research Products
(4 results)