2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける大衆的文学・芸術の発展―ベルリンの大衆と芸術
Project/Area Number |
21520355
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
宇佐美 幸彦 Kansai University, 文学部, 教授 (00067737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 裕子 関西大学, 文学部, 教授 (30278600)
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Keywords | 独文学 / 芸術諸学 |
Research Abstract |
ドイツのビルダーボーゲンについては、ホルプ社刊行の『ミュンヘン一枚絵』などが日本では発行されているだけであり、しかもこれは限られた作品の複製であって、日本においてビルダーボーゲンの研究は、まだまったく行われていない。宇佐美幸彦の論文、「グスタフ・キューンの文学的テクスト付き初期ビルダーボーゲン」は、このビルダーボーゲンの歴史と作品内容に関する、日本で初めての本格的研究である。 ハインリッヒ・ツィレに関しても、例えば柏書房から出版された石子順著『カリカチュアの近代』の中で、19世紀末から20世紀初頭に活躍したヨーロッパの風刺画家のひとりとして、ホガートやドーミエなどと並んで紹介されているが、ツィレに関する研究は、日本では、現在まで殆ど公にされていないのが現状である。ツィレは、ドイツ分断時においても、社会主義体制下の東ドイツ、資本主義の西ドイツを問わず、大衆的な人気を保ち、その芸術性のみならず、ユーモリストとしての資質も高く評価されている、ドイツを代表する風刺画家である。分担研究者である佐藤裕子は、論文「ハインリッヒ・ツィレ『マインミリョー』に於ける風刺・ユーモア・Witz」において、ツィレの作品のモチーフとなった約100年前のベルリンの貧しい庶民の世界と画家ツィレとの関係、その作品の風刺性を分析した。
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Research Products
(2 results)