2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520370
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 國安 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70142346)
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Keywords | 子規文庫 / 明治の漢文 / 連続性 |
Research Abstract |
1仏教嫌いを公言していた子規だが、じつは晩年の漢詩「無題」「失題」「病牀偶成」等には仏教に言及するものがあり、彼が仏教的悟りを求めていたことが確認される。従来、これに関する研究はほとんどなかった。そこで、子規文庫の仏教関連書籍を中心にその書き込みや内容を分析して、子規が真宗との出会いを契機にして五台山への路を願うようになったことを明らかにした。 2.明治の教育界は対清政策上からも清代古文を重視し、中等向漢文教本には清代古文選をも採択した。その際、『中等教科漢文読本』の編集者が選択の参考にしたのが、和刻本のほか『国朝二十四家文紗』『国朝古文所見集』『清名家文鈔』等の可能性が大きいこと、及びその選択眼がきわめて高度であったことを明らかにした。以上、明治期においていかに漢文が連続的に受容されていたかを論証した。
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Research Products
(5 results)