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2012 Fiscal Year Annual Research Report

明治の東京を描いた中国詩の集成

Research Project

Project/Area Number 21520376
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

小川 恒男  広島大学, 文学研究科, 教授 (20185507)

Project Period (FY) 2009-04-01 – 2013-03-31
Keywords漢詩 / 明治 / 東京 / 郁曼陀
Research Abstract

本研究は、日本を訪れた中国人が中国古典詩というスタイルで明治の東京を描いた作品群を研究対象とし、それらの主題・内容・表現などを総合的に整理・分析し、その集成を目的とした。平成21年度から24年度までの研究期間に、明治40年前後の東京を描いた郁曼陀「東京雑事詩」72首を中心に、1)資料の収集と整理 2)作品の読解 3)表現面・創作面からの研究を行った。
当該期間中にまとめることのできた具体的な研究成果として「郁曼陀『東京雑事詩』訳注」が挙げられる。これは、上記研究計画の2)の成果に該当し、集成を目的のひとつとする本研究全体の基幹となるものである。全72首の作品を日本語訳するだけでなく、できる限り詳細な語釈を付し、明治の東京を描写する際、郁曼陀がどのような語彙や表現を用いたのかを明らかにする一方、明治末の社会情勢、風俗、事件などを調査しながら訳注に反映させた。特に郁曼陀が詩に用いた言葉の来歴はひとつひとつ丹念に調査した。上記研究計画の3)の基礎となる作業である。
結果として、郁曼陀「東京雑事詩」は当時の市井の人々の目線で東京を描いており、取り分け女性の姿を好んで描写していた。語彙的には中国の近世白話語彙を多用しつつ、和製漢語を大胆に詩に取り込んでいる。また、江戸末期から明治初年に刊行された漢文戯作文学、特に寺門静軒『江戸繁昌記』、成島柳北『柳橋新誌』の影響が大きかったことを明らかにすることができた。全体的に郁曼陀は幕末から明治にかけて流行した日本漢詩壇の作風を模倣しており、ある意味において、郁曼陀「東京雑事詩」は中国人でありながら日本漢詩を作るという試みであって、黄遵憲「日本雑事詩」とはその点が大きく異なるという結論を得た。

Current Status of Research Progress
Reason

24年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 郁曼陀「東京雑事詩」訳注(四)2012

    • Author(s)
      小川 恒男
    • Journal Title

      中国古典文学研究

      Volume: 10 Pages: 8-95

URL: 

Published: 2014-07-24  

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