2009 Fiscal Year Annual Research Report
コーパス利用のコロケーション記述の理論と方法に関する通言語的研究
Project/Area Number |
21520393
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 斉 Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (90162156)
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Keywords | 辞書論 / コロケーション |
Research Abstract |
本年度においては、特に、語彙論、辞書学の理論および特に英語コーパス言語学の語彙論、辞書学の分野への応用についての文献調査および研究者との意見交換を進め、また、コロケーション類似現象の理論的解明および辞書における記述のケース・スタディ的な調査を行った。英語に関しては研究の蓄積が大きいが、派生語におけるコロケーションの継承の有無については、理論的に未決着の部分が多く、今後の研究が必要であることが分かった。 エスペラントの計画性と社会性の関係について、世界エスペラント協会、日本エスペラント学会図書館等における文献調査を行い、計画性を強調しがちな従来の固定観念を改め、社会的慣習性をさらに重視すべきとの見解を得るにいたった。また、既存のテキストデータベースを拡大し、個別の語彙項目に関してコロケーション情報の抽出を試行した。語義区分ごとのコロケーションの異同、また派生に際してのコロケーションの継承の有無について一定の知見を得ることができ、その教育上の応用についても一定の成果を得た。さらに、オランダ、アムステルダム大学を訪問して、テキストデータベースの構築と利用法について資料を収集し、研究者と意見を交換した。 日本語に関しては、既存の文献とデータを利用して、コロケーション類似概念の分類について、理論的研究および実践的なパイロット調査を進めたが、日本語については英語の場合と比較して理論的な研究も実践も少なく、本研究の貢献できる余地が大きいことが分かった。
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