2009 Fiscal Year Annual Research Report
宮崎県の方言動態および方言使用と話者心理に関する研究
Project/Area Number |
21520474
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
早野 慎吾 University of Miyazaki, 教育文化学部, 准教授 (90381053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 敬一 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 准教授 (10305401)
|
Keywords | 方言動態 / 話者意識 / 宮崎県方言 / 宮崎市方言 / 都城市方言 / 延岡市方言 / 世代差調査 |
Research Abstract |
本研究では、宮崎県の宮崎市(日向南部方言)、延岡市(日向北部方言)、都城市(薩摩・諸県方言)をフィールドに多人数調査および重点調査を行い、方言動態の現況を記述し、現在起きている方言変化のメカニズムを分析する。さらに、話者心理(志向性)が方言使用にどのような影響を与えているかを明らかにする。 21年度の計画では、84名(各世代12×7世代)を対象とした延岡市多人数調査(面接調査)を主な事項としていたが、97名という、予定以上の話者に対して調査できた。これで、同一調査票における宮崎市(19年度終了)、都城市(17年度終了)、延岡市の宮崎県の3大都市調査が完了したことになる。本調査は宮崎県方言に関する最大規模(人数および項目数)の調査であり、過去最大の世代差・地域差のデータを得ることができた。宮崎県は方言研究のもっとも遅れた地域とされ、特に世代差調査に関する報告が少ない状況であった。そのような状況において、本調査の意義は大きいといえる。 各都市の調査結果は、既にコーディングおよびエクセルを用いたデータ入力が済んでおり、今後はグラフ化等を行うことにより、データベース化が完成する。このデータベースをさらに分析することによって、宮崎県方言の言語動態の主要部分を明らかにすることができるものと考えられる。また、話者心理(話者イメージ・言語イメージ)に関する調査も行っており、社会心理言語学における最先端の研究テーマにおける分析を行うことも可能となった。現在、「研究実施計画」の記載以上のデータを収集できている状態である。
|