2009 Fiscal Year Annual Research Report
中上級日本語学習者のモニタリングの基準の意識化と内在化を目指した教室活動の開発
Project/Area Number |
21520535
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
衣川 隆生 Nagoya University, 留学生センター, 准教授 (30282289)
|
Keywords | 日本語学習者 / 協働学習 / メタ認知 / 口頭発表 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究は、中上級レベルの日本語学習者(以下、JSL)の口頭発表技能に関わるメタ認知能力、特に進行モニタリング能力を育成することを目標としてデザインされた教室活動の効果、妥当性を検証することを目的としている。平成21年度においては、実践を通して収集した学習者の口頭発表、学習者協働のピアフィードバックの映像記録を文字化し、その映像、文字化資料をイントラネットサーバー上のハードディスクに保存し参照可能とした。サーバーは、オープンソースであるmoddleをプラットフォームとしているが、現段階ではまだ公開には至っていない。代替措置として数台のノートパソコンに学習者の発表映像を記録し、それを視聴しながらピアフィードバックできる協働作業のための環境を整えた。同時に、映像資料、文字化資料を利用し1)JSLが学習のコース初期段階において、どのようなメタ認知知識の表象を有しているか、2)口頭発表を通して、JSLのメタ認知知識の表象がどのように変化していくか、3)コース終了時にどのように内在化されているかを分析した。その結果、第一に態度、表情など非言語的な基準や「ポーズ」、「話し方のメリハリ」など意識しにくい基準が抽出されにくいこと、第二に発表を重ねても「モニタリングの基準」の表象が構造化、精緻化されていかないことが明らかとなった。そこで、21年度後半には発表後に再度グループで、お互いの基準を出し合い、それを整理、統合する協働活動を組み込んだ。その上で、整理された基準を評価基準としてグループで相互に評価を行う活動を組み込んだ。その結果、モニタリングの基準が整理され徐々に構造化されたことが学習者の評価票からも観察されるようになった。
|
Research Products
(5 results)