2010 Fiscal Year Annual Research Report
リスニング指導において導入としてライティングの宿題を課した場合の有効性
Project/Area Number |
21520585
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
小栗 裕子 滋賀県立大学, 国際教育センター, 准教授 (80224195)
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Keywords | リスニング指導 / ライティング指導 / 宿題 / フィードバック |
Research Abstract |
本研究は、英語のリスニング指導にライティングを導入することにより、受信力のみならず発信力をも同時に育成する指導法の開発を目指すものである。リスニングの指導はリスニングのみを教えることが多いが、それでは語彙力や文法力などの総合力養成は十分とはいえない。しかし、リスニングの授業中に文法などを指導することは、時間的に効果的とはいえない。それゆえ、プリ・リスニング活動のひとつとしてこれから聞く教材の内容に関するライティングの宿題を課すことにより、その不足を補おうとする研究である。 毎回宿題を課すことによって、学生は少なくとも自分で英文を考え、身近なことを表現する発信力がついてくる。この宿題はこれから授業で聞く内容に対する質問に英語で答えるので、スキーマの活性化にもつながる。宿題の効果については、1年に3回自由作文を行って評価することによって、より正擁に問題点や評価できる点を把握することが可能である。学生には最初の授業中に抜き打ちで作文のテストをするので、毎回の宿題に力を注ぐように伝えてある。 その結果、全体を印象で判断する「統合的評価法」において1回目と2回目、そして2回目と3回目の間には対応のあるt検定を用い、有意な向上が認められた。これは自由作文の語数についても同様で有意な増加が認められた。しかしながら、今回もリスニング力とライティング力の間には相関は見いだせなかった。しかし、両スキルはお互い補い合って学習者の英語力全体の向上に役に立っているという分析結果は得た。また、課題の作文は時間を区切ってできるだけ早く書く内容と、辞書を使用し自由に書く2つの宿題が有効なのではないかということも判明した 今後の課題は、この2つの宿題をどのようにして出すかということと、その評価(フィードバック)の仕方である。
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Research Products
(3 results)