2010 Fiscal Year Annual Research Report
異文化コミュニケーション能力の向上を目的とした大学生の地域貢献活動
Project/Area Number |
21520590
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
山崎 祐一 長崎県立大学, 経済学部, 教授 (50259735)
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / 異文化理解 / 外国語教育 / 英語教育 / 地域貢献 |
Research Abstract |
地域貢献活動と異文化間コミュニケーション能力の促進の関わりに関する事例研究を行なうために、アメリカ合衆国における上記分野の先進校の教育現場を訪問し、異文化間コミュニケーション能力を重視した外国語教育と地域貢献活動の関わりについて観察活動を実施した。特にアメリカの大学における外国語教育分野での国際サービスラーニングの取組において、参加学生に対する地域貢献活動の有効性、また実際に活動を行うに当たっての準備と実施内容及び課題等について聞き取り調査を実施した。ここで収集した情報を参考にしながら、昨年度長崎県佐世保市内のアメリカンスクールからの本学英語インテンシブプログラム学生の国際地域貢献活動の高い評価と彼らの実績をもとに、さらに活動を積極的に継続した。異文化間コミュニケーション、異文化理解学習、外国語学習分野においてどのような有効性を持つのかを探究ために、昨年に引き続き本学の1年間の活動状況を継続的に(週1回、計約30回)観察した。その結果、英語資格試験の成績は伸び悩む学生はいるものの、スピーキング・リスニングを中心とした実践的な英語運用能力については、明らかに向上が見られる。それは、活動先のアメリカンスクールの英語母語話者の教員及び担当職員たちも認めるところである。異文化間コミュニケーションに対する姿勢の前向きな変化やその能力の向上については、参加学生自己評価に関する本人たちへのアンケート調査においても明確に述べられている。また、身近で意味深い地域性を考えたテーマである異文化や、アメリカン・スクールや米海軍が共存している地域の現状を目の当たりにし、より深い理解が得られたことも述べられている。このように大学生が地域のアメリカンスクールや学内の講義等で得られた知見を、地域に還元するために、佐世保市内の公立中学校の校長と綿密な打ち合わせをしながら、中学校英語学習支援としての地域貢献活動を、来年度の準備段階として実験的に実施した。このように、来年度はこれまでの活動に加え、地域貢献活動全体をより充実させ、階段状に膨らませていく計画である。
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