2011 Fiscal Year Annual Research Report
異文化コミュニケーション能力の向上を目的とした大学生の地域貢献活動
Project/Area Number |
21520590
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
山崎 祐一 長崎県立大学, 経済学部, 教授 (50259735)
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / 異文化理解 / 外国語教育 / 英語教育 / 地域貢献 |
Research Abstract |
一昨年度からの大学生の地域貢献活動を継続し、そのデータを収集しつつ、本年度はその地域貢献を「海外サービスラーニング」として展開した。活動の場を段階的に広げるという従来の計画のもと、地域をより広い意味で捉え、「海外」とい地域において、外国語学習や異文化理解、そして自文化発信に関する「サービスラーニング」の活動をハワイの小学校と大学で実施した。この取組では、海外の外国語教育と異文化理解教育の分野において貢献しながら、本学学生が日本や長崎県と佐世保市の文化や歴史について世界に発信する力の基盤を作ることを大きな目的のひとつとした。特に原爆投下の事実や米海軍基地の存在なども含め、長崎県と佐世保市について理解してもらうことは、パールハーバー攻撃を経験しているハワイ州民の感情を理解することにもつながる。長崎県とハワイ州の悲劇の共通点から、国際交流を通して親善、友好を実現していくことも重要であると考えた。国内における活動に加え、この取組の最大の成果は、Byram(1997)が異文化間コミュニケーション能力の概念の定義として挙げている「目標言語がコミュニケーションの主要な言語である活動に参加する知識や技術や能力」を獲得できたことである。活動に参加した学生たちは、異文化知識の獲得のプロセスを経ながら、自文化発信の努力を怠らない姿勢を学んだ。本人たちへのアンケート調査では、異文化間コミュニケーションに対する態度が育成されたこと、また、目標言語である英語によって活動へ参加し、目的を十全に達成する能力が身に付いてきたことを述べている。事実、現地サイトでは、当活動内容と英語による活動実践に関し、極めて高い評価を得た。学生の自己評価の中では、英語会話能力や英語資格試験への積極的な学習態度が養われたことなど、学習に対する意識改革についても述べている。この地域貢献活動が動機付けとなり、活動の副産物として参加学生全員の英語資格試験の成績も伸びも確認された。学会発表(計8回)により成果の報告をした。大学生たちが異文化や英語に関する地域貢献活動を円滑に実現できるように、活動内でのリスニングとスピーキングに役立てることができる語彙、及び表現分野に関する図書を執筆、出版した。
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