2010 Fiscal Year Annual Research Report
小学校英語教育を視野に入れた、子供の絵本の読み聞かせにおける理解過程の解明
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21520640
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 久美子 玉川大学, リベラルアーツ学部, 教授 (60154043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 祥世 玉川大学, リベラルアーツ学部, 准教授 (70384724)
庭野 賀津子 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (30458202)
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Keywords | 小学校英語 / 音声発達 / 絵本 / 語彙発達 / 学習 |
Research Abstract |
第一に、母親が幼児に読み聞かせなどをしている時の発話タイミング、発話持続時間、発話速度をカウントしたところ、発話量の多い幼児の母親の応答タイミングは、発話量の少ない幼児の母親よりも速く、また発話時間が短いこと、さらに話しかけるときの発話速度が遅いことが判明した。こうした母親の発話態度が、絵本の理解過程にも影響し、幼児が絵本の内容を話すときの発話量にも影響を与えることが明らかになった。 また、複数の調査者が保育園にて3歳児20名を対象に絵本の読み聞かせをしたところ、絵本の内容についての発話量が多い幼児を担当した調査者の発話は、子どもの発話への相槌、反復が多く、短く速い応答になっていることが分かる。これは、上記の母親の発話態度と共通している。教師側が内容に言及するのではなく、子どもの発話にすばやく反応することで、幼児の発話への意欲、関心を高めていると考えられる。 第二に、3~4歳児における歌・チャンツ・絵本の朗読聴取による英語の語彙習得の度合いを調査した結果、平均月齢の低いグループにおいては、絵本の朗読聴取が語彙習得に効果があり、歌による語彙習得の割合は低めであることが判明した。一方、平均月齢の高いグループにおいては、特に朗読聴取が語彙習得に効果的というわけではない。平均月齢の低い子どもには、歌詞に加えて旋律の記憶という負荷がかかる歌よりも、絵本の朗読の方が、非母語の聞き取りや語彙の習得には効果的であること、また、こうしたアクティビティの違いが語彙習得の年齢にも係ることが明らかになった。 こうした幼児の結果を踏まえ、平成23年度は小学生を被験者として、絵本読みの理解過程、語彙習得効果を計測する。
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Research Products
(10 results)