2011 Fiscal Year Annual Research Report
日清戦争時、日本軍の朝鮮甲午農民軍討滅作戦に関する研究
Project/Area Number |
21520659
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 勝生 北海道大学, 名誉教授 (90044726)
|
Keywords | 日本近代史 / 日清戦争 / 甲午農民戦争 / 朝鮮史 |
Research Abstract |
1)防衛省防衛研究所と国会図書館、東京都立中央図書館で、日清戦争時、朝鮮半島での日本軍の作戦関係史料を、探索し、朝鮮へ従軍した兵士関係史料を追加収集した。 2)徳島県阿波郡と吉野川市において、朝鮮東学農民軍討滅戦争参戦兵士の「従軍日誌」を、郷土史家の協力を得て、現地で調査収集した。「従軍日誌」は、一兵士の視点から記録したもので、従来知られなかった東学農民軍討伐戦の具体的状況を詳細に知ることができるものである。 3)高知県宿毛市において、高知大学の研究者の協力により、兵士子孫が所蔵する、朝鮮半島兵站線守備隊兵士の「従軍日誌」を現地で調査した。釜山から北上する日本軍兵站線での戦闘を詳しく記した新しい記録であった。 4)山口市、山口県文書館にて山口の兵士の史料調査をし、朝鮮慶尚道で東学農民軍との戦闘で戦死した守備隊大尉の錦絵を山口県立萩美術館で調査し、また萩市旧椿西村地区で旧宅や墓地の探索を行い、見出すことができた。 5)高知市にて、自由民権記念館開催、高知近代史研究会で、「甲午農民軍討滅戦と四国の大隊」の講演を行い、地元研究者たちと情報交換し、これをきっかけとして(3)の宿毛市の兵士の「従軍日誌」を見出し、史料収集することができた。 6)韓国の研究団体から招聘されて、光州市・井邑市・益山市にて講演と研究報告を行い、また論山市連山面にて、蓮山戦闘の史料にもとづく詳しい現地調査を行い、連山戦闘の掘り起こしという新しい成果を得ることができた。 7)京都市にて、訪日した韓国の東学農民戦争の研究者たちと会い、研究交流、史料交換をし、今後の研究会とフィールドワークの打ち合わせを行うことができた。
|
Research Products
(5 results)